これは「ブース展示」と言いまして、他ではちょっとお目にかかれない展示方法なんですよ。当店のシンボルでもある「一休さん」にちなんだ5つのお部屋が作られておりまして、5つのカテゴリーに分けて展示してあるのです。たとえば、大型の仏壇を欲しいというお客様は大型仏壇が並んだブースの中から選ぶことができます。
一般の方は、仏壇に対する専門知識がそれほど豊富なわけではありませんから、あらかじめカテゴリー分けしておくことでよりスムーズに商品選びができるように工夫しているのです。具体的には、大型、中型、小型、本格派、モダン・小型とカテゴリー分けされており、それぞれ20~30本の最新人気仏壇が勢ぞろいしています。
お客様はまず、大きさやグレードでざっくりとブースを選び、その中からデザインや素材、お値段などを考慮して最適なお仏壇に絞り込むという選び方ができるため、とても好評です。一般的な仏壇屋さんは大きさも価格やグレードもごちゃまぜに展示しているケースが殆どですので“目移りして選びにくい”という声をよく耳にしますが、当店なら初めての方でもすんなりと理想のお仏壇に到達できます。
また、ブース前にもお買い得品や新製品がたくさん展示してありますので、思わぬ掘り出し物に出会う楽しさもあります。仏具やお線香などの品揃えにも自信がありますので、お気軽にお立ち寄りいただきたいですね。
バイパス沿いという立地からか、亘理町や岩沼市から仙台市宮城野区や太白区など、仙台南方の地域を中心にかなり広いエリアからご来店いただいています。沿岸部も多いので震災に遭われた方も少なくありません。様々な思いに接し、この仕事の大切さや使命を改めて感じる日々でした。
このエリアは都市近郊であるため、昔ながらの伝統を好む方と、伝統にはこだわらない方と半々のお客様構成になっています。このため、お仏壇も伝統的な仏壇もモダン仏壇も両方よく売れており、両方の品揃えが充実しているのも、仙台南店の特色と言えます。
また、ご葬儀も取り扱っていますから、ご葬儀からお付き合いが始まるお客様も多いですね。ありきたりに聞こえるかもしれませんが、私たちのモットーは「親切」です。親切という言葉の意味を紐解くと「身近に寄り添い、行き届くようにすること」だそうです。悲しみと混乱の中にあるご遺族に対し、まさにぴったりと寄り添い、誠心誠意支えることこそが、私たちが目指す「親切」なのです。ご葬儀をきっかけに長いお付き合いが始まるお客様が多いのは、私たちのこの真心がきっと通じたからだと、感じています。
都市部のお客様は訪問自体を好まない方が多いため、お客様の方からお店に足を運んでいただくショールーム型の営業スタイルはもちろん重視しています。ブース型の展示にして選びやすくしているのもそのための工夫です。ただし、昔ながらの顧客訪問も決して軽視しているのではなく、地道な訪問活動にもしっかりと力を入れています。
当店の会員様は4000件強ですが、これは地道な訪問活動の成果です。売って終わりではなく、その後のフォローや情報交換を大切にするという、ほこだて伝統の文化も大切に守っていることも、当店がこのエリアで愛されている理由と考えています。
周囲には同業他社も複数存在しますから、やはり商品知識やマナーではどこにも負けないことが大前提です。いくら品揃えが豊富でも、商品知識が乏しかったり、接客マナーが悪かったりしてはお客様の満足は得られません。
お仏壇や墓石・仏具は決して安い買い物ではありませんし、頻繁に買い替えるものでもありません。何より、故人やご先祖様を偲び、思いを捧げるという、精神的なファクターが極めて大きい商品です。それだけに、どんな消費財よりも高度な満足を提供できなくてはならないというのが、私たちの考え方です。
そこで、私たちは勉強会やマナー研修などを積極的に開いて、接客技能を日々磨いています。もちろん、それ以前にお客様の心に寄り添うことができる、思いやりや心配りができなくてはこの仕事はできません。流行語になった「お・も・い・や・り」ではありませんが、人の心に寄り添い、一生懸命に奉仕するという日本人の良き精神文化を大切にしながら、どこにも負けないサービスをご提供したいと考えています。
震災復興が進み、新しい住宅もこれからどんどん建っていくことでしょう。多様なニーズに応えられるよう、尚一層、商品知識や接客技能を高めてゆくことが大切だと思います。また、価値観もどんどん変化・多様化すると思われますので、伝統や固定観念に縛られず、新しい商品や提案を積極的に発信していきたいと思います。
また、お盆や彼岸だけでなく、日常的に立ち寄ってもらえる場にしたいですね。毎日先祖に思いを馳せ、心静かに手を合わせる文化をもっともっと広めることが、私たちの願いです。